【患者さんはお医者さん】アキレス腱断裂保存歩行治療の詳細な経過記録を頂きました!①

長野県飯田市でアキレス腱断裂の歩行治療を行っている、「パンダ先生」こと、いいだ整骨院の原です。今回の患者さんは、なんと現役のお医者さんです。ありがたいことに、アキレス腱断裂保存歩行治療の経過を詳細を送って頂きました。とても長いのでパート3に分けて投稿します。

受傷当日(令和5年9月30日)

サッカー中に背後から蹴られて受傷。

夕方にスポーツクリニックでエコー検査にてアキレス腱断裂を診断される。大体は後ろから蹴られたとかいう方が多いが、違うんだよねと言われ大学病院の紹介状を頂き、シーネ固定と松葉杖で帰宅。後ろからキッキングした相手に謝られた故、受傷起点は外傷と思うが、それより、どう対応するか慎重に検討することにした。

通常であれば、長期の保存療法か手術しか選択肢がないが、若い頃に同じくサッカーで左足首の外側側副靱帯の縫合手術を受けた場所が、30年以上経った今も冬場に痛むことから、手術以外の方法をネットで検索。半日検討した結果、直感で歩行療法を選択した。自分は元外科医で、患者さんのアキレス腱を縫合した経験もあり、もし手術するなら自分で縫いたいくらいではあるし手術の後遺症の方が自身の経験からもリスクがあると判断した。

【原コメント】

アキレス腱断裂のほとんどは、ふくらはぎの筋肉の過剰な収縮で腱が切れるものです。患者さんは、何かがぶつかった、けられたという感じがするために、後方の人にあらぬ疑いかけることが多いのです。グランドで受傷した際に小石でも近くに転がっていると犯人の濡れ衣を着せてしまうことになり易いのです。

この症例ではキッキングした相手が認めてはいるのですが、キッキングされたためにふくらはぎの筋肉の過剰な収縮をまねいて切れた可能性も否定できないところです。

2日目

休日であったが、いいだ整骨院の原先生の携帯電話に連絡した所、運良く繋がった。整形外科でMRIをとろうとも思ったが、手術を選択しないのなら、エコー診断と身体所見トンプソンテスト陽性で十分と思い、先生の意見を聞いたら同意見であったため、月曜日の仕事を急遽キャンセルして早急に処置及びリハビリをすすめることに決定した。

10代、20代とサッカーで随分と骨折や捻挫、靱帯手術と経験してきたけれど、社会に出て、更に個人事業者となると治療ばかりに専念する時間は限られる。やはり先輩の強引な誘いとはいえ、サッカーは格闘技みたいなものだし断っておけばと後悔した。

いずれにせよ、自分は医療者である故、命に関わることではないし、前向きに捉えてこの歩行療法にかけてみようと思う。根拠のない自信ではあるが、今まで数多くの治療家の先生方に助けられてきた経験から、治せる先生は話した瞬間に分かるものである。仕事場のスタッフは賛同者は1人だけ、家族は疑いの念を向けられつつも、整形外科で手術して全治6ヶ月を治療家の先生と二人三脚で脅威の1ヶ月半でランニング再開の思い出が蘇る。但し今は50過ぎのおじさん、いやお兄さんで、どうなることやら。 

3日目(10月2日いいだ整骨院初診)

仕事場のスタッフの1人が自分の治療選択に賛同してくれ、有り難いことに運転手を請け負っていただき長野県飯田市の当院「いいだ整骨院受診」お昼から固定を行い、歩行療法開始。9月30日受傷にて血腫と浮腫あり。断裂は2横指固定の際にアキレス腱を誘導するように優しく膝下で固定。若干の尖足位で固定。包帯は通常の包帯で心地よくが基本。弾性包帯は不可。如何に浮腫ませず循環を維持するかが大切。

【原コメント】

弾性包帯(伸縮包帯・弾力包帯)の功罪:アキレス腱断裂の応急的な固定でシーネ(副子)を弾性包帯で固定する方法が多い。この方法は循環障害を生じ、ふくらはぎ下部に急速なむくみを起こさせて、痛みの原因となる。受傷後に痛みが無く、固定後に痛みが出るのは、弾力包帯の圧迫で循環障害を起こすのが原因だ。またシーネのカーブが足のカーブに合っていないための圧迫もある。

アキレス腱断裂の多くは受傷時の痛みも無く、固定中も痛みが無いのが正常な経過である。アキレス腱断裂で痛みが出る原因のほとんどが、循環障害、むくみでなのだ。本法の固定はその循環障害、むくみを予防するために、前後をシーネでサンドイッチする固定をして適度な圧迫を行うように固定している。包帯は緩めで、心地良い強さで巻くのも循環障害を予防する上で重要だ。一か所でもキツイところがあると循環障害を起こし痛みを生じやすい。

他院でギプス固定をした後に当院を訪れ、本法に固定を変更した患者さんの中には、本法固定後に、痛みですぐには歩けない方がいる。その原因がむくみなのだ。それで来院される方には固定を外すか、包帯をゆるゆるにしてして頂くようお願いしている。この症例では、私のブログの記載を読んで頂いていて、来院時には固定は外していただいていた。

リハビリ

患側の足上げ4方向はワンセット30回が疲れる一歩手前、腕立てもワンセット30回、腹筋は50回ゆっくり。歩行時間は30分に留まる。足上げは50分一回15分。足上げの際に指先が痺れる感じがある時は休憩してみる。

【原コメント】

当院でのアキレス腱断裂保存歩行療法(以下本法という)は固定直後から100%の体重をかけて歩行可能で、1日トータルで最低1時間のウォーキングを行うようお願いする。それには室内でうろすろする歩行は含まれない。室内うろうろは動物園の熊さんと同じで運動にはならないからだ。だから事務職、主婦の方はウォーキングが少ないと、むくみが発生しやすく、治りが悪い例が多い。

ウォーキングにあわせてリハビリを固定直後から開始することで。全身の機能の低下を防ぐことができ、早期癒合、早期回復が期待できる。

リハビリは下肢の挙上、仰臥位での両股関節運動、患側足趾のにぎにぎ2000回、両足のももの前、後、外側、内側の筋トレ、健肢の片足スクワット・片足カーフレイズ(踵上げ)、健側片足腕立て伏せなどなど行っていただく。全身の運動を行い、筋肉ホルモンを出して患側下肢の筋力低下(とくに患側ふくらはぎの委縮)を防ぎ、神経系の機能低下(安静は患側対側大脳皮質、患側小脳の機能低下が起こるとされている)予防を行う。

下肢挙上はできる限り長く、できる限り多く回数を行い、むくみを予防する。仕事の途中での必ず時間を取って行ってもらう。むくみの予防こそがアキレス腱断裂の遅漏のキモである。現在行われているアキレス腱断裂の治療では足を着かない期間がある。それが、循環障害を起こし、アキレス腱の癒合を遅らせ、神経機能、関節機能の障害を起こす。特にむくみは酸素供給量を低下させて痛みをおこす。このためにアキレス腱断裂は治りの悪いケガとされているが、むくみの予防を的確に行えば、アキレス腱断裂はすこぶる着きの良い、治りやすいケガなのだ。もちろん正しいリハビリを併用するのは言うまでもないが。

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