なぜアキレス腱断裂が歩きながらでも治るの?

長野県飯田市でアキレス腱断裂保存治療、
アキレス腱断裂歩行治療を行っている、
「パンダ先生」こと、いいだ整骨院の原です。

今回は題して「なぜアキレス腱断裂が歩きながらでも治るの?」
長くなりますが、専門的な部分から解説致します。

 

●今まで、歩くとアキレス腱断裂は癒合しないと世界中で思われていたし、
今でも思われている。それは、つま先を極端に下げた位置(バレリーナのよう)にして、
アキレス腱の断端(切れた両端)を近づけて固定しておかないとアキレス腱が癒合しない、
癒合しても長くなってしまうと思われているからです。

[そうしなくてもアキレス腱断裂は癒合する理由は下記を]

なぜアキレス腱断裂手術しなくてもなおるの?

極端に足先を下げて固定した状態では足は着けませんし、
足を着くと足先が上がってアキレス腱の断端が離れてしまうので、
アキレス腱が癒合しない、
癒合しても腱が長くなってしまうと思われているので足を着いてはいけないと言うのです。

 

●保存歩行療法では足関節底屈位10~15度で固定します
保存歩行療法では足関節(足首の関節)
底屈位10~15度(立った状態の足関節の角度90度から10~15度足先を下げた状態=)で固定します。
この角度が維持できればアキレス腱は正常に癒合するのです。
この足関節底屈位10~15度を維持して歩くには足先を
45度ほど外に向けて足を着けた状態で歩けばいい訳です。

一般に考えられているように手術しないと治らないとか、
尖足位(バレリーナのようにつま先を下げた足の位置)で固定しないと治らない。
歩くと治らない。という考えは間違いなのです。
手術しなくてもアキレス腱は自然治癒力で癒合します。
足尖足位にしなくても癒合しますし、長くなってしまうこともありません。

 

●今までの治療法の欠点

尖足位で固定すると足を着けないので、足裏にメカノストレス(機械的刺激)が
入らずに神経機能が低下します。また血液循環が悪くなるために静脈瘤が悪化し、
むくみがひどくなり、エコノミー症候群のリスクが高くなります。
永くむくんでいると組織液が膠(にかわ)のようにどろっとした粘液性のものになり(膠様変性)、
それが関節を拘縮させてしまします。

血液循環が障害されると腱に栄養が行きにくくなり癒合を遅らせます。
足を着かないために患肢全体や体幹の筋力低下が起こります。
患肢を使わないことで大脳皮質の菲薄化(機能低下)も起こるという報告もあります。
そのためにリハビリも長期間を要することになります。

 

●保存歩行療法は超早期回復療法です

保存歩行療法はそれらの欠点を最小限にとどめ、
固定直後からリハビリ開始している訳ですので、早期に回復するのです。

アキレス腱断裂で動かしてはいけないところは切れたアキレス腱だけなので、
それ以外の部分は動かすのがアキレス腱断裂を早く治す基本なのです。

アキレス腱断裂保存歩行療法が早く治る理由「神経機能低下を防いでいる治療だから」

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